2009年02月18日 10:00
電車が一車両あったとします。
全部で100席。今までの携帯電話は、
100席全て埋まるとそれ以上は乗れない。
又、座席を小さく作っているので、
カラダの大きな人も乗れなかった。
第三世代携帯電話では、
この座席を全て取ったのです!
小さな人(音声)、大きな人(画像)、
色んなサイズの人が乗ることができ、
もし、小さな人(音声)ばかりの時は、
たくさんの人数が乗ることができます。
まあ、こういうことです。
周波数、時間で区切っていたものを止め(座席をとる)、
代わりに、符号(Code)で分割するようにしたのです。
これをCDMA(Code Division Multiple Access)と言います。
Code Division...の、Codeって何?
暗号キーのようなものです。
再度、例えを使って簡単に説明しましょう。
立食パーティーを開催するとします。
そこでは世界中の人が出席していて、
皆が一斉に同じ音量で話をしています。
それじゃ何も聞こえない?
いえ、そんな事はありません。
考えてみてください!
英語で話す人が1組、
フランス語で話す人が1組、
ドイツ語で話す人が1組、
イタリア語で話す人が1組、
そして貴方たち2人は日本語で話します。
ここで重要なことは、
貴方が日本語しか話せないということ。
つまり、ここでは『日本語』が
暗号キー(=符号)ということになります。
さあ、ここで全員で一斉に
同じ音量で話を始めましょう!
貴方は日本語しか話せないので、
英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語は
雑音にしか聞こえず、
日本語のみハッキリと聞くことができます。
当たり前ですね!
これを技術用語で拡散利得と言います。
もし日本語と英語を理解できたら、
拡散利得は得られません。
これがCDMAの基本原理なんです。
なんだか分かったような気になってきたでしょう?(笑)
この方式を使うと、
座席を取った車両と同じ状態になり、多重数を変えることで、
簡単にデータレートを上げたりすることができるようになります。
また複数の基地局の電話を同時に受信したりすることができます。
これが、CDMAの大きな特徴です。
WCDMAとcdma2000
第二世代携帯電話では、日本は独自仕様で開発していました。
その頃、欧州を中心に世界100カ国以上で採用され、
デファクトスタンダードになった”GSM”方式携帯電話がありました。
第三世代携帯電話は、世界共通の規格を作りたかったので、
各国で相談して、同じ周波数帯域(2.1GHz帯域)を使い、
GSMの基幹ネットワークをそのまま流用することを考えました。
これがWCDMAと呼ばれる規格です。
日本は、第三世代で独自仕様を捨て、世界仕様に切り替えました。
基幹ネットワークも新しくしました。世界共通の周波数帯域も抑えました。
だから、普段使っている携帯電話で海外でも使えるようになったのです。
世界にはもう一つ、CDMAの基本特許をもつ
米Qualcomm社が提唱するcdma2000という規格もあります。
cdmaOne(IS-95)という規格の上位バージョンです。
WCDMA、cdma2000問わず、
この会社の基本特許及びLSIを使っている携帯電話端末には、
裏側に、"Qualcomm"の社名が入ってます。
尚、NTTドコモ、ソフトバンクはWCDMA、auはcdma2000です。
第三世代携帯電話(3G)にはその改善規格で、
3.5GのHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)
3.7GのHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)
というのもあります。それぞれ受信、送信データレートが改善されてます。
名前を覚えておくと携帯を選ぶとき便利でしょう。
第四世代携帯電話
第三世代携帯電話は、エレガントなシステムにも拘らず、
一部の会社の特許により、高額なライセンス料を払うことになっています。
この反省を踏まえて、特許に縛られないシステムを開発しています。
現在、規格化が進められているのはOFDMと呼ばれる技術です。
早く実現させて、もっと端末の価格を安くして欲しいですね。