ブログと著作権法

iriek

2009年04月14日 12:00



許可無く撮影した写真などをブログに掲載しても良いのか?

・観光の記念に東京タワーの写真を撮ってブログに載せた
・有名なイタリアンのお店を撮影してブログに地図付きで説明した
・美味しいパスタを食べたので、写真を撮ってブログで紹介した

一々、オーナーに許可を得て載せるのは現実問題難しいと思います。
では、許可無くブログに掲載すると違法行為になるのでしょうか?

今回はこの問題について少し触れてみたいと思います。

 著作物とは?
著作物の定義は、
「個人の思想や感情を創作的に表現したものであって、
文学、学術、美術、又は音楽の範囲に属するもの」、です。

建物、お店、料理など、写真を見ただけで固有のものと
判断できるものは、著作権法で保護される著作物ということになります。
そういう意味では、ブログに載せる写真のほとんどは著作物です。


少し脱線しますが、もちろん、音楽、プログラムも著作物です。
ここでは写真の話をしているので詳細は割愛しますが、
例えば、歌詞の全文、又は一部をブログに書く行為は違法行為です。
善意で紹介していれば、一々、訴えられることはないと思いますが。

人物写真を掲載する場合(肖像権)には特に注意が必要です。
例え本人に掲載許可を貰ったとしても、第三者が悪意をもって転載する
ケースなどのトラブルも実際にあります。責任をもつことが必要です。

又、写真の人物の所属する団体、交友関係、時間・場所を特定できる
場合には思わぬトラブルが発生することが多々ありますのでご注意を。
更に子供がトラブルに巻き込まれないように配慮することも大事です。
未婚の女性であれば、写真・氏名・住所は公開しないことをオススメします。

 ブログと著作権法
他人が撮影して公開している写真は、写真そのものが著作物です。
これをコピー、加工して自分のブログに使用することは違法行為です。

世界中に発信するので、商用利用はもちろん、私的利用でも同じことです。
(特定の人だけが閲覧できるようにアカウント制限をかければ大丈夫です)
写真だけでなく、文章をコピーして流用する行為も違法です。

但し、実際に被害にあったとしても、賠償請求してお金を取れる
可能性は、相手の支払い能力もあるのでかなり難しいとされています。
弁護士に相談するにしても、費用がかかりますので、ペイしないと思います。
もし被害にあったら、まず本人に削除の依頼をしてみることです。
もしそれに応じないようでしたら、サーバ管理者に削除依頼をしましょう。

「リンクを貼る場合は、必ず連絡をすること!」
という文章を散見します。しかし、これは法的にはなんの効力もありません。
「リンクを貼る場合は、もし宜しければ連絡を下されば有難いです」
という位の意味合いしか、実は持たないのです。
もちろん、手間でなければ連絡する方が、お互い良い気持ちでしょう。

さて、本題です。

著作物(建物、お店、料理など)を自分で写真に撮ってブログに載せる行為、
これは、『著作物の引用』に当たります。これは、著作権法第32条で
引用であれば著作権者の承諾無く著作物を利用できると定められています。


著作権法 第三十二条
公表された著作物は、引用して利用することができる。
この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、
かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で
行なわれるものでなければならない。

著作物を写真で撮りブログで公開する行為は、”著作物の引用”です。
もちろん自分で撮影した写真であることは必須の条件です。
他人が撮影した写真は、そのものが著作物ですのでコピーは犯罪です。
リンクを貼る行為も引用と考えられます。ここで大事なことは、
①公正な慣行に合致、 ②引用の目的上正統な範囲内、
であることが明記されていることです。
又、引用であるからには、
必ず自分の考えや感想などがあることが条件となります。

 まとめ
建物、お店、料理の写真をオーナーに無断で自分で撮影し、
それを常識の範囲内でブログで公開しても違法ではないと思います。

但し、極端な中傷などは、上記①②に抵触する可能性があります。
それ以上に、営業妨害に当たると思いますので、やめた方が良いでしょう。

このブログでは絶対に批判はしないよう心がけています。
無断で掲載しているにも関わらず、いくつかのお店から記事掲載への
お礼の言葉を頂戴しています。最近だと、十勝おはぎのサザエ
記事で、”サザエ食品企画室”様からコメントを頂きました。

お店でオーナーと話せる場合などは、エチケットとして
「写真を撮って、ブログに載せて良いですか?」・・・と一言。
ブログを書く側にも、書かれる側にも、そんな余裕が欲しいものですね。

(注)記事は個人的な考えを掲載したもので、所属する団体等の意見を反映していません。
 この情報はあくまでも参考情報であり、著作権に関わる判断は自己責任で行ってください。


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