シンクライアント

iriek

2009年12月28日 10:00

今後、パソコンはどうなっていくのか?

パソコンの歴史はまだ20年ちょっとしかありません。
その間に劇的な進化を遂げてきました。だから、今度10年で
今では考えていなかったような進化を遂げるのは当然です。

確か、福岡商工会議所で、何かのセミナーを聴講していた時、
こんな言葉が耳に残りました・・・
「IT化と言ったら大企業がやるもんだ!と思っていてはもうダメです。
 中小企業と言えども、最低限のIT化は今や必須です!」
そりゃ、そうです。当たり前ですよね。でも、
これを本当に理解している中小企業の社長がどれだけいるのか?

今後数年でパソコンの使い方は劇的に変わると思います。
それは、中小企業にとってはとても有利なことだと自分は思います。
少々、難しい話を含みますので、何度かの記事に分けて、
出来るだけ比喩を用いて簡便に説明していきたいと思います。

まず、こちらの図をご覧ください。

▼クラウド・コンピューティング(イメージ図)


これが今後のパソコンの姿です!
皆さん、空(雲)に向かって、紙きれを投げてますね。
これが、クラウド・コンピューティングです。
そして、この人たちの事を、シンクライアントと言います。

シンクライアントの歴史は長く、これがクラウド・コンピューティングだ!
と言いきるのは、ほとんど乱暴なのですが、「クラウド」というのは、
「雲」という意味であると同時に、「無知」という意味でもあります。

パソコンを使っている人は面倒なことは何も知らなくても(無知)、
雲の上の人が全てを良いようにしてくれる・・・それがクラウド・コンピューティング。


貴方が今、使っているパソコンは管理が面倒ですよね?
購入したらまずセットアップしなくてはいけません。OSのアップデートやら、
ソフトのインストール、プロバイダの登録にメールの設定、
ソフトが更新されればバージョンアップもしなければなりません。
ウイルスの問題も深刻です。ファイヤーウオールとかマルウエア対策、
パソコンを使いたいのか、パソコンに使われているのか分かりません。

それだけの労力をかけたパソコンも3年もすればお払い箱になります。
新しいパソコンを購入して、また一から設定し直す必要があります!

・・・・

ここまで読んで・・、げっそりしちゃいましたね。
だって書いてある事、全部、貴方が普段困っていることなんですから。
必死に勉強するか、お金を払って業者にやって貰うしかありません。

そういう人は特に、この先も我慢して読んで欲しいと思います。

・・・

実は・・・、大企業では数年も前からこの作業から解放されます。
それが、クラウド・コンピューティングやシンクライアントです。

パソコンを購入して、ネット接続したら・・・もう、自分の普段使っている
パソコンの環境になります。面倒なセットアップは何も要りません。

という事は、顧客の所に出張して、ノートパソコンを開いても、
いつも自分が使っているパソコンの環境になるので、どこでも仕事ができる。
もちろん自宅のパソコンでも会社で使っているパソコンの環境になります!

面倒な事は全てクラウド(雲)の中でやってしまうので、貴方は
何もする必要がない(無知)んです。だからハードディスクも必要ない。
ソフトウエアもファイルも、クラウド(雲)に投げときゃ良いんですから。

そう・・・、最初の絵はそういう意味だったんですね!

 <クラウド・コンピューティングの利点>
 ・必要最小限のOS(Windows等) ⇒管理はほぼしなくて良い
 ・ソフトウエアは不要(Excel、Mail等) ⇒インストールしなくて良い
 ・ファイルはクラウドでしかも一元管理 ⇒個人では管理しなくて良い 
 ・ウイルス対策 ⇒個人ではしなくて良い
 ・ソフトの費用は大幅に削減できる
 ・パソコンの管理にかかるコストを40%以上削減できる


クラウド・コンピューティングになると、個人で持っているパソコンは
それ程凄いマシンである必要はなくなり、最低限ネットにつながれば
十分ということになります。そう、ハードディスクも必要ありませんね。
あっ、そうそうソフトウエアもウイルスソフトもインストール不要になります。
こういう、最小限の端末のことをシン(Thin=最小限)クライアントと言います。

ハードやソフトのコストを削減できて、管理の費用も削減できる。
これが、クラウド・コンピューティングの利点の一つなんです!


実はこれは昔からある考え方で、今に始まった訳ではありません・・・何故、今なのか?

そのもう一つの理由とは・・・、セキュリティです。

個人情報保護法が厳しくなり、また企業の機密情報を入れた
ノートパソコンを顧客に出張で行く時に持ち歩いたり、週末に業務を
自宅でやろうとデータを持ち帰って、通勤時にどこかで忘れる・・・最悪です。
小さなUSBメモリにコピーして無くすのも同じ事ですよね。

大企業では、こういった事を阻止するために、
ノートパソコンにデータを入れて持ち歩くには許可(書類)が必要だし、
USBメモリにはデータをコピーできません。どうしてもという場合、
専用の暗号化ソフトを使って、コピーできるようになっていました。
これって、本当に不便だし、大体これじゃ面倒で業務になりませんよね?

だから、大企業では一足先にクラウド・コンピューティングが導入されました。
しかし、今の時代、個人情報保護ができない会社は中小企業でも許されません。

それを解決する一つの方法があります。
無料で、簡単に!誰にでもクラウド・コンピューティングを手にする事が出来ます。
それが2010年に登場するGoogle Chrome OSです。

それは一体どういうものか? ・・・それはまたの機会に!

関連記事